交換会

美術商が集まって行う美術品の競り（ディーラーズオークション）、市（いち）の事を交換会と呼んでいます。警察が発行する古物行商許可証を持った業者しか参加することはできません。一般の方の交換会場への立ち入りはできません。

東京美術倶楽部では毎日のように交換会が開催されています。会の規模の大小はありますが数十人から数百人の業者が一堂に会して競ります。いわゆる書画骨董、中国陶器、近代の日本画・洋画、茶道具、西洋アンテイーク、刀剣など、それぞれの交換会には専門分野があり、業者も自分の取り扱い品目に合った交換会を選んで出席します。ほとんどの会は招待制で、主催者の案内状を持った業者しか参加できません。出品数が１０００点を超えるような交換会では、早朝から夕方まで６時間以上かかる長い競りとなります。
前もって下見ができる会もありますが、事前に出品物をじっくり見られない場合の方が多く、目の前に現れた作品の真贋、値打ちを一瞬のうちに判断しなくてはなりません。当然判断を誤ることもしばしばで、失敗は次の教訓となります。
一方、取引上のトラブルを避けるために真作保証の会もあります。

年に数回行われる「大会」では数百人が広い会場に集い、特に東京美術商協同組合主催の大会（組合員のみが参加できる）では、数千万から億単位になる高額品をめぐってベテラン美術商同士の緊迫した真剣勝負の競りが行われます。交換会でさまざまな駆け引きの経験を積むことが、美術商として眼を養う鍛錬となるのです。